No.33 2010年5月17日発行 | 日本ナレッジ・マネジメント学会

メールマガジン

No.33 2010年5月17日発行

 日本ナレッジ・マネジメント学会メールマガジン 第33号
 
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   日本ナレッジ・マネジメント学会メールマガジン 
   第33号  2010/5/17
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 編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局

□ 目 次
◆第2回年次研究大会のご案内と発表者募集
◆知の創造部会のご案内
◆多様性部会のご案内
◆第13回年次大会写真付き詳細レポート
◆年次大会感想追記
◆13回年次大会会員総会の報告と配布資料の掲載
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◆第2回年次研究発表大会のご案内と発表者募集 
         第2回研究発表大会実行委員長 植木 英雄

先の第13回年次大会でも予告ご案内いたしましたが9月25日(土)
午後、東京、国分寺の東京経済大学国分寺キャンパスにて第2回の
研究発表大会を開催いたします。
共通テーマは「先進企業における知の創造と経営革新」です。
つきましては、発表者の募集を行いますので振るってご応募くだ
さい。応募要領や応募用紙は以下のURLに掲示しておきますので
ご活用ください。

URL:http://www.kmsj.org/home/archive/20100925_form.pdf

◆知の創造部会のご案内
             知の創造部会 部会長 植木英雄
                    
第11回研究会を下記の要領で行ないますので、ご参集願います。

報告者:斎藤稔(研究部会員)
テーマ:三技協における知の創造活動と展開(仮題)
会場: 大手町ビル533号室(東京経済大学サテライトオフィス)
    (地下鉄大手町駅ビル5階)
日時: 5月21日(金曜)夜6時?8時
参加費:無料(会場・資料の準備のため、一般会員で参加を希望さ
    れる方は部会長までご連絡願います)

なお、第12回特別研究会として7月30日(金曜)夜6時?株式会社フ
ジタVE推進部長の松田節夫氏による「フジタにおけるVE活動の
概要と展開」の最新のご発表を大手町ビル533会議室で行なう予定
ですので、合わせてご案内いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

部会長 植木英雄

◆多様性部会5月度の例会ご案内
             多様性部会 部会長 澤谷 みち子
日時 5月19日(水) 18:30?20:30
場所 日本ナレッジマネジメント学会会議室
議題 ダイバーシティマネジメントとリクルートの女性力
 創業者の江副さんとともにリクルートを創業期から作り上げてき
た福西七恵さんの著作「リクルートの女性力」を読み解きます。
 副題になっている「会社の空気は女で決まる!」というメッセー
ジは非常にわかりやすい。
参加希望の方は澤谷までご連絡ください。

澤谷 みち子
my blog :http://soranofukasa.blogspot.com/

◆第13回年次大会写真付き詳細レポート
               理事 メルマガ担当 松本 優

前回予告しましたとおり3月27日に行われた学会の第13回年次大会
の写真付きレポートが出来ましたのでお届けします。
今回はライブ中継もありましたが参加できなかった方にも少しでも
多くナレッジをおすそ分けできればと思い、かなり詳しく(いや写真
撮影に夢中でよく聞いてなかったり、自分が理解できなかったりで
簡単な報告の方もいますがお許しいただきたく)レポートしました。
写真は豊富にあり、先生方のギャグや冗談まで拾った楽しく分かり
易く、臨場感のある労作??で長文ですので以下のURLでじっくりお楽
しみください。
URL:http://www.kmsj.org/home/archive/20100327.pdf

◆年次大会感想追記:木川田教授講演に関連して
                 理事 国際部長 進 博夫

学会の年次大会での私の感想は前回簡単にまとめたが、中でも木川田
教授の講演が特に印象深く大いに触発された。その余韻を少し付け加
えさせて頂きたい。

木川田教授のKDIを率いてのご活躍の様子は知っていたが、教授の話
をまとめて伺うのは今回がはじめてであった。今さらながら教授がビジ
ネスの現場における人と人との動力学とそれを支える「場」の実践研究
に取り組んで来られた成果を十分踏まえて、「知識創造」のための「知
の生態系」の認識と実践の重要性を提唱されていることがよくわかった。
改めて教授の一貫した取り組みと素晴らしい成果について敬意を表させ
て頂く。

私事で恐縮であるが、私は長年IT業界にいて、現代に必須のツールであ
るITやデジタル技術が世の中に与える影響等について考えてきた。最近
は人間の本質である創造性やそれを育む仕組み、世の中の動きといっ
たことに興味を持ち、少しずつ追いかけている。教授の講演は私にも非
常にヴィヴィットに伝わってきた。講演の内容にだぶらせながら私の感
想をひろげることをお許し願いたい。

振り返ってみれば、人間は進化の過程でコミュニティを発展させること
によって環境に対応し、知を育み、多様な文化を形成してきた。現在で
は社会科学の発展やテクノロジの進歩に加えて、生命科学や脳科学とい
った人間自身の本質を解明するための新しい研究が進んでいる。その意
味でもキーワートは動的と創造にあると考えている。

企業経営という現代資本主義社会のエンジンと、それを構成する人との
かかわりについて、従来はどちらかというと経済のエンジンを構造的に
如何に効率よく動かすか、という観点からの議論が経済成長を支える工
業、製造業を中心に進められてきた。しかしそれが一定の成熟期を迎
え、日本等の追い上げにより経済の低迷期に入った欧米先進国では、
まずは人の創造性を重視する芸術文化との関わりから人の創造性を活
かす新たな産業や経済の枠組みを構築しようという試みが欧州を中心
に始まった。それがやがて人の創造性を如何に高め発揮し、それらを如
何に新たな価値創造に結びつけていくか、という本質的な議論に繋がっ
てきているのではなかろうか。

欧州では製造業の衰退に苦しみ様々な試みが行われ、英国はブレア政
権の少なくとも初期には一定の成果をあげたと考えられる。米国ではリ
チャード・フロリダの分析にあるように、活力にあふれモビリティの高
い人たちがより良い職と住の生活環境を求め、地域もその要請に応える
べく制度も含め整備した環境、場において自己実現を果たすべく次々と
ベンチャー企業を立ち上げた。

教授が挙げられたIDEOの例に見るように、このような企業はその成り立
ちから企業運営の原理がまったく異なる。豊かな自然環境や刺激あふ
れるコミュニティの中で各個人が相互に触発され、創造性を存分に発揮
しつつ組織全体をオーガナイズすることによって様々なアウトプットの
価値を最大化することを目指している。個人も様々な人たちとの係わり
合いを通じ自らの価値を再発見しつつ、目指す人生をエンジョイしてい
るように見受けられる。

その際、教授の言われる「Dialogue」、すなわち「自分の意見が一時的
な『解釈』に過ぎないことを認識しつつ、共通の理解と正当な解を探し
出す共同の行為」が重要な意味を持ち、その柔軟性あふれる対話を促す
ための環境としての「場」が重要な意味を持つ。

創造都市については日本でも各地で議論が行われ、金沢等で実践がス
タートしている。横浜のような大都市も然り。しかし地方都市に比較し
て大都市においては、住と職を総合した良質な生活環境を確保すること
は日本の現状では至難の業といえる。やはり部分的、段階的に進めざる
を得ない。しかしこの今のような変化の激しい時代には、感度を高め、
変化を察知し、時には変化を先取りして柔軟に対応し、自らを変えて行
けることこそが価値を持つ。グローバルな大競争の中、ここでひるんで
いるわけにはいかないのである。

その意味で日本のビジネス人が人生のおよそ半分の時間を過ごすオフ
ィス環境を創造的なものにしようという取り組みは非常に重要な意味を
持つ。クリエイティブ・オフィスに関しては、まさに木川田教授が世界
にも認められた日本のトップランナーであろう。

現在木川田教授は、大阪の北梅田・北ヤードに知的創造拠点を創ると
いうナレッジ・キャピタル構想を推進しておられる、とのこと。この構
想はオフィスの概念を拡大・発展させ、プラザとかサロンといった多面
的に展開した形になるようである。大阪あるいは関西の未来センター的
な機能要素も入るのであろう。

最近、橋下大阪府知事が「大阪都」構想をぶち上げており、全体が調和
して動き出せば「ナレッジ・キャピタル大阪誕生!」というようなすご
いことになりそうである。今後のご活躍を期待する。
以上

◆13回年次大会会員総会の報告と配布資料の掲載のお知らせ
                           事務局
2010年3月27日の年次大会当日開かれた会員総会では当日配布の議案書
にそって審議され原案道理とおり承認されましたことをご報告します。
又当日配布しました議案書の資料をホームページの以下のURLにpdfで掲
載いたしますので当日不参加の方もご確認ください。

URL:http://www.kmsj.org/home/archive/13soukai.pdf

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[日本ナレッジ・マネジメント学会 メールマガジン]
<編集後記>
前号は編集長になり立てで張り切りすぎたのとなにぶん不慣れで、Webと
の連携が間に合わなかったりでかなり長いものになり、長すぎるぞとの
お声えもいただきました。今回はいかがでしたでしょうか。
内容についてのご意見、ご感想及びメールアドレスの変更などは以下の
アドレスにお願いします。        (編集長 松本 優)
学会アドレス:kms@gc4.so-net.ne.jp

編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局(森田隆夫)
問合先 日本ナレッジ・マネジメント学会事務局
TEL:03-3270-0020 E-Mail:kms@gc4.so-net.ne.jp