メールマガジン
No.50 2011年10月17日発行
☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★☆☆★☆☆
日本ナレッジ・マネジメント学会メールマガジン
第50号 2011/10/17
☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★☆☆★☆☆
編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局
□ 目 次
◆
◆知の創造研究部会「リコーテクノロジーセンターでの見学・意見交換会」
の報告
◆リコーテクノロジーセンター(RTC)訪問記
????目次紹介のみ?????
◆リコーテクノロジーセンター訪問記
◆リコーテクノロジーセンターを訪問見学と交流会に参加して思ったこと
「商品開発に必要とされる情報の種類と留意点」
◆リコーテクノロジーセンター訪問の感想
◆リコーテクノロジーセンターの感想
◆リコーテクノロジーセンター見学・意見交換会写真レポート
---------
◆アジア関連のニュース
◆『ナレッジ・マネジメント研究年報』第11号投稿原稿の募集延期のお知らせ
--------------------------------------------------
◆知の創造研究部会「リコーテクノロジーセンターでの見学・意見交換会」の報告
(日本ナレッジマネジメント学会理事 知の創造研究部会長 植木英雄)
当部会の新しい試みとして以前から企画しておりました「リコーテクノロジーセン
ターでの見学・意見交換会」を9月30日に実施致しましたので、会員の皆さんに概要
を報告いたします。
今回、先方の都合もあり、期末のウイークデーの午後と言う厳しい日程での開催
でしたがKM学会側からは当日キャンセル者もありましたが熱心な11名の参加者が
ありました。
リコーテクノロジーセンターでは、まず統括センター副所長の辻さんの歓迎の
ご挨拶に引き続き、最新設計のセンター内部を海老名総務室グループリーダーの
長嶋さんのご案内により主要な施設を見学させていただきました。
その後、同センターのコラボスペースの活用をデザインされた若杉さん(現IT/S
企画センターソリューション事業支援室室長)からコラボスペースの考え方につい
て詳しい説明があり、質疑・討論を行いました。
次に、MFP事業本部副事業本部長 兼 事業戦略センター所長の轡田さんから商品開発
と市場情報などに関する概要を説明して頂き、白熱した質疑・討論と意見交換が
予定時間よりかなり超過して行われました。
今回のテクノロジーセンターの見学と意見交流会は、当研究部会でも初めての試み
でしたが、最先端の施設と技術者の仕事ぶりなどを実際に見て、担当責任者と直接
意見交換できたことは、極めて有意義であったと思います。
以下に参加者からの多数のレポートも掲載いたしましたのでご参考になさって
ください。
なお、リコーの関係者へのお礼のメールを指し上げましたところ、副所長の辻さん
からは、「時間の経過を忘れるほどに、熱のこもった情報交換がなされました。
その場で頂戴しましたご意見やご指摘は、今後我々の活動を進めてまいります
上での参考とさせていただきます。どうぞ、今後ともよろしくお願い申し上げます」
との返信を頂きました。
また、事業戦略センター所長の轡田さんから次のような返信を頂きました。
「皆様の熱い議論、ご指摘、ご指導で、有意義な時間をいただいたとありがたく
思っています。情報共有、情報活用、その中からどのように新たな知を創造する
のか?決まりきった正解は無いと考えていますが、正解に近づくことはできると
考えています。皆様の研究成果も教えていただければと思っております。
よろしくお願いいたします。」
---------------
◆リコーテクノロジーセンター(RTC)訪問記
(日本ナレッジマネジメント学会理事 国際部長 進 博夫)
まずは最上階、23階のプレゼンテーションルームに案内いただき、RTC
のビデオ紹介後、23階から1階まで、コラボスペースや食堂等、人の集
う部分を中心に見学させていただいた。その後、若杉室長と轡田副事業本
部長によるプレゼンテーションとディスカッションが行われた。
以降、見学の印象と、お話しいただいた情報、その他公開情報を、ないま
ぜではあるが、個人的観点からご紹介させていただく。
昨年完成したRTC新棟には、約3,000人の技術者を中心とした開発・設計部
隊が集結。センター全体で約5,000人。全社員数は約1.2万人であり、リコ
ー社にとって如何に重要な開発拠点であるかがわかる。
新棟のコンセプトは「プロダクト・インテグリティ」。ものづくりに関す
る機能、開発・設計・生産準備・評価・購買のすべての機能を集約して、
世界一のものづくり環境の実現を目標としている。
しかも、縦割りの事業部単位から、事業部共通の機能単位が強く意識され
ているという。
モノのレイアウトから、コトのレイアウトということで、各フロアは、
事業部単位ではなく、ソフト、エレキ、メカといった事業部共通の機能単
位に割り当てられたレイアウトになっているそうである。事業部内でコミ
ュニケーションをとるのは当たり前、事業部外の同じ分野の技術者との接
触が容易になる道を選んだ、ということで技術サイロ化を防ぐ効果があり
そうだ。
新棟を最も特徴づけるのが、若杉室長から紹介頂いた、4つの新棟デザイ
ン・コンセプトの筆頭に挙げられる「知識創造・知識交流を促進する場」
を実践する、「コラボスペース」である。
南向きの陽の差し込む吹き抜けのコラボスペースは、ウェブで写真を拝見
して1カ所と思っていたら、なんと3フロア吹き抜けのスペースが3カ所
、2フロアが4カ所の計7カ所もあるのに驚いた。
日当たりのよい天空の中庭をビルの内部に持ち込んだ、とも考えられる。
そうすると、緑がもっとあってもいいかなと感じた。
それぞれのコラボスペースには、情報、過去から未来、といった初期設定
の意味づけがなされ、自社製品や他社製品がその意味付けに応じて、モノ
ではなくコトの一部として展示されている。
そこで社員は、意味づけされたその空間で何かを感じ取る。また、これま
で話したこともなかった他部門の社員と会話してみたり、ほっと一息入れ
たりする。
トップ指示も、そのような気づきの場を実現することであったようだ。
今後、技術者間の新たな交流による製品や事業、コトへのいい影響の増加
が大いに期待できる。
一方で、人間は貪欲であり、新たな刺激を求めていく。如何にそのような
気づきの場が実現できるか、センターの枠や企業の枠を超えた新たな仕組
みが必要かもしれない。例えば、コラボスペースを利用したイベントにご
招待する、あるいは、コラボスペースのサテライト化とかバーチャル化、
さらには出張コラボといった考え方もあるかもしれない。
また、気づきは、個々の感性を磨き、多様な見方を知ることから始まる。
その意味で、外国人や女性の割合を意識的に増やすことも意味があろう。
コトの展示に工夫が要る、というお話は頷ける。コト展示の方法論は今後
どこでも重要性を増す。人手をかけない低コストのテクノロジーは、今後
の開発の一テーマになり得るのではなかろうか。
有する技術の核を踏まえて、コトの枠をどう新たに構築していくか。
轡田副事業本部長のお話で印象に残ったのは、グローバル展開の苦心談と、
技術のコアが印刷時の紙との接点、ということであった。
リコー社は、世界180カ国で販売展開し、9割が日本外の工場での生産
であるが、法律や市場の相違が多様で、QCDのバランスと投資対効果の明確
な判断が難しいようである。ここにも日本での開発と生産設計上の取り組
みの大きなタネがあるようだ。
また、ファックスやコピーも一見デジタル化で簡素化が進んでいるように
見えても、他社が真似できないのは紙出力時のすり合わせ部分であり、特
許という形式知以外に、外からは見えない経験知が大きな差別化要素のよ
うだ。世代間の技術継承もRTCの認識している課題といえよう。
見学後のRTCビルは、高性能、多機能の回路が23層積み重なったLSIチッ
プのようにも見える。今後、RTCに働く人たちの気づきが増し変化していく
のに合わせ、RTCから発信される製品も、それを包み込んだコトも、時代を
先取りしつつどんどん変化していくことが期待される。
お世話になったRTCの皆様には、様々なご配慮に心から感謝申し上げます。
また植木先生には、募集締め切り後に飛び込みで参加をお願いした。ご配
慮に感謝します。
●このほかに下記のとおり大ベテランの大島栄作さんから中堅のバリバリ
のNEC荒木聖史さん、京都産業大学から参加した准教授の植木真理子さん、
現場の専門家IBMのナレジマネジャーの林弘夫さんと多様性豊かな4名の
参加記と感想記があります。
さらにいつもの松本編集長の写真付きレポートもあります。Webの方にまと
めましたのでぜひそちらでご覧下さい。たまたま9月30日と言う期末の日で
参加できなかった方も多いに参考になりますので、ぜひご覧ください。
◆リコーテクノロジーセンター訪問記
(アールシーエス研究所代表 コンサルタント 大島栄作)
◆リコーテクノロジーセンターを訪問見学と交流会に参加して思ったこと
「商品開発に必要とされる情報の種類と留意点」
(NEC通信システム(株)CS品質保証部主任 荒木 聖史)
◆リコーテクノロジーセンター訪問の感想
(京都産業大学 経営学部准教授 植木真理子)
◆リコーテクノロジーセンターの感想
(日本IBM ナレッジ&リサーチ課長/ナレッジマネージメント・リーダー
林 弘夫 )
●リコーテクノロジーセンター訪問の感想集はこちらのURLです。
http://www.kmsj.org/archive/20110930report.pdf
●リコーテクノロジーセンター見学・意見交換会写真レポートはこちらです。
(日本ナレッジマネジメント学会理事 メルマガ編集長 松本 優)
http://www.kmsj.org/archive/20110930photo.pdf
◆アジア関連のニュース
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 国際部長 進 博夫)
アジア関連のニュースが二件あります。
1.MAKE ASIA 2011
ロリー・チェイス氏からMAKE ASIAの結果報告が届きました。
今回は、インド、韓国、中国、インドネシアの企業が多く、日本企業はゼロです。
理由は不明ですが、残念ながら、日本のビジビリティが低下している可能性はぬぐえません。
http://www.kmsj.org/archive/2011asiamakebwpr.pdf
2.KM ASIA 2011
KM ASIA 2011が11月8?10日にシンガポールで開催されます。
開催概要は別紙をご覧ください。
http://www.kmsj.org/KM-Asia-2011.pdf
◆『ナレッジ・マネジメント研究年報』第11号の投稿募集延期のお知らせ
(『ナレッジ・マネジメント研究年報』編集委員長 植木 英雄)
『ナレッジ・マネジメント研究年報』第11号の投稿(論文および研究ノート)
の募集を2012年1月30日まで延期いたします。
投稿される場合は、2011年11月15日までに投稿される題名と連絡先を事前に
編集委員長宛てにメールで連絡願います。(編集計画の参考にします。)
なお、投稿原稿は投稿規程と執筆要項(学会HPリンク先参照)に基づき、
2012年1月30日までに3部をメディアと一緒に学会事務局 研究年報
編集委員会宛てに送付してください。
投稿は最近年の年次大会、研究部会等の発表者以外でも自由に投稿できます。
会員の皆さんの奮っての投稿をお待ちしております。
「ナレッジ・マネジメント研究年報」投稿規定
http://www.kmsj.org/news/nenpou_kitei.pdf
「ナレッジ・マネジメント研究年報」執筆要項
http://www.kmsj.org/news/nenpou_youkou.pdf
連絡先:研究年報編集委員長 植木英雄 E: h-21ueki@tku.ac.jp
原稿送付先:日本ナレッジ・マネジメント学会事務局 研究年報編集委員会宛
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町3-1-10田中ビル4階
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<編集後記>
内容についてのご意見、ご感想及びメールアドレスの変更などは以下の
アドレスにお願いします。 (編集長 松本 優)
学会アドレス:kms@gc4.so-net.ne.jp
編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局(森田隆夫)
問合先 日本ナレッジ・マネジメント学会事務局
TEL:03-3270-0020 E-Mail:kms@gc4.so-net.ne.jp
日本ナレッジ・マネジメント学会メールマガジン
第50号 2011/10/17
☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★☆☆★☆☆
編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局
□ 目 次
◆
◆知の創造研究部会「リコーテクノロジーセンターでの見学・意見交換会」
の報告
◆リコーテクノロジーセンター(RTC)訪問記
????目次紹介のみ?????
◆リコーテクノロジーセンター訪問記
◆リコーテクノロジーセンターを訪問見学と交流会に参加して思ったこと
「商品開発に必要とされる情報の種類と留意点」
◆リコーテクノロジーセンター訪問の感想
◆リコーテクノロジーセンターの感想
◆リコーテクノロジーセンター見学・意見交換会写真レポート
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◆アジア関連のニュース
◆『ナレッジ・マネジメント研究年報』第11号投稿原稿の募集延期のお知らせ
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◆知の創造研究部会「リコーテクノロジーセンターでの見学・意見交換会」の報告
(日本ナレッジマネジメント学会理事 知の創造研究部会長 植木英雄)
当部会の新しい試みとして以前から企画しておりました「リコーテクノロジーセン
ターでの見学・意見交換会」を9月30日に実施致しましたので、会員の皆さんに概要
を報告いたします。
今回、先方の都合もあり、期末のウイークデーの午後と言う厳しい日程での開催
でしたがKM学会側からは当日キャンセル者もありましたが熱心な11名の参加者が
ありました。
リコーテクノロジーセンターでは、まず統括センター副所長の辻さんの歓迎の
ご挨拶に引き続き、最新設計のセンター内部を海老名総務室グループリーダーの
長嶋さんのご案内により主要な施設を見学させていただきました。
その後、同センターのコラボスペースの活用をデザインされた若杉さん(現IT/S
企画センターソリューション事業支援室室長)からコラボスペースの考え方につい
て詳しい説明があり、質疑・討論を行いました。
次に、MFP事業本部副事業本部長 兼 事業戦略センター所長の轡田さんから商品開発
と市場情報などに関する概要を説明して頂き、白熱した質疑・討論と意見交換が
予定時間よりかなり超過して行われました。
今回のテクノロジーセンターの見学と意見交流会は、当研究部会でも初めての試み
でしたが、最先端の施設と技術者の仕事ぶりなどを実際に見て、担当責任者と直接
意見交換できたことは、極めて有意義であったと思います。
以下に参加者からの多数のレポートも掲載いたしましたのでご参考になさって
ください。
なお、リコーの関係者へのお礼のメールを指し上げましたところ、副所長の辻さん
からは、「時間の経過を忘れるほどに、熱のこもった情報交換がなされました。
その場で頂戴しましたご意見やご指摘は、今後我々の活動を進めてまいります
上での参考とさせていただきます。どうぞ、今後ともよろしくお願い申し上げます」
との返信を頂きました。
また、事業戦略センター所長の轡田さんから次のような返信を頂きました。
「皆様の熱い議論、ご指摘、ご指導で、有意義な時間をいただいたとありがたく
思っています。情報共有、情報活用、その中からどのように新たな知を創造する
のか?決まりきった正解は無いと考えていますが、正解に近づくことはできると
考えています。皆様の研究成果も教えていただければと思っております。
よろしくお願いいたします。」
---------------
◆リコーテクノロジーセンター(RTC)訪問記
(日本ナレッジマネジメント学会理事 国際部長 進 博夫)
まずは最上階、23階のプレゼンテーションルームに案内いただき、RTC
のビデオ紹介後、23階から1階まで、コラボスペースや食堂等、人の集
う部分を中心に見学させていただいた。その後、若杉室長と轡田副事業本
部長によるプレゼンテーションとディスカッションが行われた。
以降、見学の印象と、お話しいただいた情報、その他公開情報を、ないま
ぜではあるが、個人的観点からご紹介させていただく。
昨年完成したRTC新棟には、約3,000人の技術者を中心とした開発・設計部
隊が集結。センター全体で約5,000人。全社員数は約1.2万人であり、リコ
ー社にとって如何に重要な開発拠点であるかがわかる。
新棟のコンセプトは「プロダクト・インテグリティ」。ものづくりに関す
る機能、開発・設計・生産準備・評価・購買のすべての機能を集約して、
世界一のものづくり環境の実現を目標としている。
しかも、縦割りの事業部単位から、事業部共通の機能単位が強く意識され
ているという。
モノのレイアウトから、コトのレイアウトということで、各フロアは、
事業部単位ではなく、ソフト、エレキ、メカといった事業部共通の機能単
位に割り当てられたレイアウトになっているそうである。事業部内でコミ
ュニケーションをとるのは当たり前、事業部外の同じ分野の技術者との接
触が容易になる道を選んだ、ということで技術サイロ化を防ぐ効果があり
そうだ。
新棟を最も特徴づけるのが、若杉室長から紹介頂いた、4つの新棟デザイ
ン・コンセプトの筆頭に挙げられる「知識創造・知識交流を促進する場」
を実践する、「コラボスペース」である。
南向きの陽の差し込む吹き抜けのコラボスペースは、ウェブで写真を拝見
して1カ所と思っていたら、なんと3フロア吹き抜けのスペースが3カ所
、2フロアが4カ所の計7カ所もあるのに驚いた。
日当たりのよい天空の中庭をビルの内部に持ち込んだ、とも考えられる。
そうすると、緑がもっとあってもいいかなと感じた。
それぞれのコラボスペースには、情報、過去から未来、といった初期設定
の意味づけがなされ、自社製品や他社製品がその意味付けに応じて、モノ
ではなくコトの一部として展示されている。
そこで社員は、意味づけされたその空間で何かを感じ取る。また、これま
で話したこともなかった他部門の社員と会話してみたり、ほっと一息入れ
たりする。
トップ指示も、そのような気づきの場を実現することであったようだ。
今後、技術者間の新たな交流による製品や事業、コトへのいい影響の増加
が大いに期待できる。
一方で、人間は貪欲であり、新たな刺激を求めていく。如何にそのような
気づきの場が実現できるか、センターの枠や企業の枠を超えた新たな仕組
みが必要かもしれない。例えば、コラボスペースを利用したイベントにご
招待する、あるいは、コラボスペースのサテライト化とかバーチャル化、
さらには出張コラボといった考え方もあるかもしれない。
また、気づきは、個々の感性を磨き、多様な見方を知ることから始まる。
その意味で、外国人や女性の割合を意識的に増やすことも意味があろう。
コトの展示に工夫が要る、というお話は頷ける。コト展示の方法論は今後
どこでも重要性を増す。人手をかけない低コストのテクノロジーは、今後
の開発の一テーマになり得るのではなかろうか。
有する技術の核を踏まえて、コトの枠をどう新たに構築していくか。
轡田副事業本部長のお話で印象に残ったのは、グローバル展開の苦心談と、
技術のコアが印刷時の紙との接点、ということであった。
リコー社は、世界180カ国で販売展開し、9割が日本外の工場での生産
であるが、法律や市場の相違が多様で、QCDのバランスと投資対効果の明確
な判断が難しいようである。ここにも日本での開発と生産設計上の取り組
みの大きなタネがあるようだ。
また、ファックスやコピーも一見デジタル化で簡素化が進んでいるように
見えても、他社が真似できないのは紙出力時のすり合わせ部分であり、特
許という形式知以外に、外からは見えない経験知が大きな差別化要素のよ
うだ。世代間の技術継承もRTCの認識している課題といえよう。
見学後のRTCビルは、高性能、多機能の回路が23層積み重なったLSIチッ
プのようにも見える。今後、RTCに働く人たちの気づきが増し変化していく
のに合わせ、RTCから発信される製品も、それを包み込んだコトも、時代を
先取りしつつどんどん変化していくことが期待される。
お世話になったRTCの皆様には、様々なご配慮に心から感謝申し上げます。
また植木先生には、募集締め切り後に飛び込みで参加をお願いした。ご配
慮に感謝します。
●このほかに下記のとおり大ベテランの大島栄作さんから中堅のバリバリ
のNEC荒木聖史さん、京都産業大学から参加した准教授の植木真理子さん、
現場の専門家IBMのナレジマネジャーの林弘夫さんと多様性豊かな4名の
参加記と感想記があります。
さらにいつもの松本編集長の写真付きレポートもあります。Webの方にまと
めましたのでぜひそちらでご覧下さい。たまたま9月30日と言う期末の日で
参加できなかった方も多いに参考になりますので、ぜひご覧ください。
◆リコーテクノロジーセンター訪問記
(アールシーエス研究所代表 コンサルタント 大島栄作)
◆リコーテクノロジーセンターを訪問見学と交流会に参加して思ったこと
「商品開発に必要とされる情報の種類と留意点」
(NEC通信システム(株)CS品質保証部主任 荒木 聖史)
◆リコーテクノロジーセンター訪問の感想
(京都産業大学 経営学部准教授 植木真理子)
◆リコーテクノロジーセンターの感想
(日本IBM ナレッジ&リサーチ課長/ナレッジマネージメント・リーダー
林 弘夫 )
●リコーテクノロジーセンター訪問の感想集はこちらのURLです。
http://www.kmsj.org/archive/20110930report.pdf
●リコーテクノロジーセンター見学・意見交換会写真レポートはこちらです。
(日本ナレッジマネジメント学会理事 メルマガ編集長 松本 優)
http://www.kmsj.org/archive/20110930photo.pdf
◆アジア関連のニュース
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 国際部長 進 博夫)
アジア関連のニュースが二件あります。
1.MAKE ASIA 2011
ロリー・チェイス氏からMAKE ASIAの結果報告が届きました。
今回は、インド、韓国、中国、インドネシアの企業が多く、日本企業はゼロです。
理由は不明ですが、残念ながら、日本のビジビリティが低下している可能性はぬぐえません。
http://www.kmsj.org/archive/2011asiamakebwpr.pdf
2.KM ASIA 2011
KM ASIA 2011が11月8?10日にシンガポールで開催されます。
開催概要は別紙をご覧ください。
http://www.kmsj.org/KM-Asia-2011.pdf
◆『ナレッジ・マネジメント研究年報』第11号の投稿募集延期のお知らせ
(『ナレッジ・マネジメント研究年報』編集委員長 植木 英雄)
『ナレッジ・マネジメント研究年報』第11号の投稿(論文および研究ノート)
の募集を2012年1月30日まで延期いたします。
投稿される場合は、2011年11月15日までに投稿される題名と連絡先を事前に
編集委員長宛てにメールで連絡願います。(編集計画の参考にします。)
なお、投稿原稿は投稿規程と執筆要項(学会HPリンク先参照)に基づき、
2012年1月30日までに3部をメディアと一緒に学会事務局 研究年報
編集委員会宛てに送付してください。
投稿は最近年の年次大会、研究部会等の発表者以外でも自由に投稿できます。
会員の皆さんの奮っての投稿をお待ちしております。
「ナレッジ・マネジメント研究年報」投稿規定
http://www.kmsj.org/news/nenpou_kitei.pdf
「ナレッジ・マネジメント研究年報」執筆要項
http://www.kmsj.org/news/nenpou_youkou.pdf
連絡先:研究年報編集委員長 植木英雄 E: h-21ueki@tku.ac.jp
原稿送付先:日本ナレッジ・マネジメント学会事務局 研究年報編集委員会宛
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町3-1-10田中ビル4階
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<編集後記>
内容についてのご意見、ご感想及びメールアドレスの変更などは以下の
アドレスにお願いします。 (編集長 松本 優)
学会アドレス:kms@gc4.so-net.ne.jp
編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局(森田隆夫)
問合先 日本ナレッジ・マネジメント学会事務局
TEL:03-3270-0020 E-Mail:kms@gc4.so-net.ne.jp