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日本ナレッジ・マネジメント学会メールマガジン
第76号 2013/12/19
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編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局
□ 目 次
◆第17回年次大会の研究発表募集について
◆知の創造研究部会主催12月25日研究会のご案内
◆知の創造研究部会の研究成果の新刊書の案内
◆「21世紀のナレッジマネジメントの展開」開催報告
◆<特別寄稿>創造の経済時代のナレッジマネジメント その3
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◆第17回年次大会の研究発表の募集について
(第17回年次大会プログラム委員長 植木英雄)
来る2014年3月8日(土)に、横浜国立大学キャンパス内にて、本学会の第17
回年次大会を開催いたします。
基調講演として日本コカ・コーラ社の鈴木祥子副社長、特別講演としてソル
バーネットワーク社の安達哲男会長にご快諾を頂きました。
そこで、会員の皆様の研究発表(報告)を引き続き募集いたします。
皆様の奮ってのご応募をお待ちしております。
統一論題:経営者の知―ネットサービス型産業化への転換―
1.研究発表(報告)の募集内容
・午後のトラック1:統一論題に関連した報告
・午後のトラック2:自由論題の報告
なお各トラックでそれぞれ5報告程度を予定しております。
各報告時間40分(発表25分、コメント5分、質疑応答10分)
2.申込方法
報告希望トラック:
会員名:
所属、連絡先住所:
電話番号、E-Mail:
論題および要旨(400字以内):
以上をご記入の上
申込先:日本KM学会年次大会プログラム委員会事務局宛に
1月6日までにメールで申し込みください。
E-Mail kms@gc4.so-net.ne.jp TEL 03-3270-0020
◆知の創造研究部会主催12月25日研究会のご案内
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事・知の創造研究部会長 植木英雄)
知の創造研究部会(第26回)を下記の要領で行ないますので、ご案内いたし
ます。
今回は、第1報告で一橋大学大学院特任講師の廣瀬文乃 氏に企業の社会的価
値創造について、企業のソーシャル・イノベーションに関する取り組みをCSR
やCSVの流れを踏まえつつ、企業の社会的価値創造を知識創造の観点で論じて
頂きます。「ベネッセ・アートサイト直島 現代美術による島おこし」と「く
もん学習療法・くもん脳の健康教室 公文式学習法を活用して認知症を改善・
予防」に関する二つの興味深い事例を発表して頂きます。
第2報告では、日本アイ・ビー・エム社人事ラーニング・ナレッジ、プロフェ
ッショナル開発部署 マネージャーの鹽野敬彦 氏から、IBM社の恒例の世界
のCXO経営者に対するサーベイ結果やSocial領域におけるKM関連の最新の
動向について海外取材の成果も交えて紹介して頂きます。また、IBMのイノベ
ーションへの新しい取り組み方についても報告されます。
参加者の皆さんとの質疑・討論でさらに深堀されることが期待されます。
それでは、多くの皆さんのご参加をお待ちしております。
【第26回研究会の概要】
日時:12月25日(水)午後6時-8時30分
(午後5時50分より会場受付)
会場:東京経済大学葵友会大手町サテライト(大手町ビル533号室)
(地下鉄丸の内線、千代田線大手町駅ビル5階)
報告1:
「企業の社会的価値創造:知域知縁のまちづくりの企業事例」
廣瀬文乃 会員(一橋大学大学院国際企業研究科 特任講師)
(6時-7時10分 含む質疑・討論)
報告2:
「IBMのCXOサーベイ結果とSocial領域におけるKM関連
の動向紹介」
鹽野敬彦 会員(日本IBM社人事ラーニング・ナレッジ部署
マネージャー)
(7時20分-8時30分、含む質疑・討論)
司会:植木英雄 教授(東京経済大学 経営学部)
参加費:研究会無料
忘年会:素材屋大手町店(予算:4千円)
※ 研究会への参加希望者は、会場・資料の準備上、12月23日迄に
下記のフォーマットでご連絡願います。(未だお席の余裕があります。)
連絡先: 知の創造研究部会長 植木 h-21ueki@tku.ac.jp
12月25日開催第26回研究会の出欠ご連絡のお願い
********************フォーマット*********************
研究会:参加_ 欠席_(該当以外を削除願います。)
忘年会:参加_ 欠席_
氏名:
所属:
連絡先E-メール:
*******************************************************
植木英雄 KMSJ 知の創造研究部会長 h-21ueki@tku.ac.jp
◆知の創造研究部会の研究成果の新刊書の案内
(日本ナレッジ・マネジメント学会事務局)
このたび知の創造研究部会の長年にわたる研究成果をまとめた書籍が
中央経済社より出版される運びとなりました。本学会員向けの特別割引も
ございますので、この機会に是非お買い求め下さい。
書名:経営を革新するナレッジ・マネジメント?ケースで学ぶ実践知の協創?
編著者:植木英雄(知の創造研究部会長)
A5判・248頁 定価2,940円(本体2,800円+税)
(本学会員用 特別割引価格2,600円(税・送料込み)
内容:現代企業にとって知的な価値創造活動は競争力の源泉となっている。
その実践知の創造の「場」と「促進要因」をエーザイ,オムロン,花王,
トヨタ,日本HP,NEC,富士通ラーニングメディア,三技協,
日本リファイン,エリア,日立建機,フジタといった多種多様な業種のケー
スを用いて明らかにした知の創造研究会の産学連携研究プロジェクトの成果。
価値協創時代のナレッジ・マネジメントの新たな方向性を示した意欲作。
イノベーションを促進する要因を豊富なケースで解説。
本学会員専用申込書は、以下のPDFとなります。
こちらをご印刷頂き、必要事項をご記入の上お申し込み下さい。
URL:http://www.kmsj.org/archive/20131216.pdf
◆「21世紀のナレッジマネジメントの展開」開催報告
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 矢澤洋一)
日本ナレッジ・マネジメント学会は、11月25日、早稲田大学知的資本研究会
と共催で、ワークショップ「21世紀のナレッジマネジメントの展開」を開催し
ました。同ワークショップは、本学会と早稲田大学が毎年開催しているもので、
本学会の大学連携の具体的成果の一つとして会員の関心も高まっています。今
年のシンポジウムの特色は、視座を21世紀という長期に置き、ナレッジの活用
を「地域振興」「ビッグデータ」「個人情報端末(スマホ)」「企業情報開示
の新潮流(統合報告)」の四つのキーワード表す新潮流を睨み、掘り下げよう
という試みでした。会場となった早稲田大学小野梓記念講堂は、終日、活発な
議論で湧きました。(基調講演並びに各セッションの要旨は次号に掲載します)
シンポジウムは、本学会専務理事の花堂靖仁元早稲田大学教授の総合司会に
より、パリ南大学のAhmed Bounfour教授による基調講演「コミュニティとサス
テナビリティ」(英語)で始まりました。Ahmed Bounfour教授は、早くからIT
の重要性と、ITのみの戦略論からは抜けおちてしまう知的資産に着目、様々な
産学官交流組織を編成する過程で、知的資本を動態的に測定する手法のIC-dVA
LI(Intellectual Capital dynamic Value)を考案して名声を高めました。「EU
における知的資産研究の第一人者」と花堂専務理事が高く評価する専門家です。
セッション1の「地域の再興とKM」は、Ahmed Bounfour教授の基調講演を受
け、ICMGの船橋智氏をモデレーターに、法政大学地域研究センターの伊能久敬
氏、Ahmed Bounfour教授が討論を行いました。Ahmed Bounfour教授が主に欧州、
伊能氏が日本の事例を挙げながら、地域振興におけるナレッジ・マネジメント
の活用を巡って白熱した議論を戦わせました。
セッション2のテーマは「ビッグデータとKM」。モデレーター;瀧口匡氏
(WERU社長)のほか、中村達生氏(創知社長)、勝山公雄氏(日本オラクル、
データサイエンティスト)の3名が登壇しました。創知の中村社長によるパテ
ントの分布の分析を例にしたビッグデータ(ソフトウエア=機械の知)による
分析事例が紹介され、「革新的商品を生み出す起業には、常識的発想を打ち破
るエコシステムが存在する」との説明に聴衆が聞き入っていました。
「IT(スマホ時代)のKM」と題して行われたセッション3のモデレーターは
本学会の山崎秀夫専務理事(野村総研)。村井亨 氏(ビートコミュニケーショ
ン社長)、砂金信一郎氏(マイクロソフト起業担当)が、到来する新時代のナ
レッジ・マネジメントについて熱く語り合いました。「今後のKMには、スマホ
などITの活用が重要という前提のもと、話題はIT普及を妨げる国の規制や制度、
税制など幅広い話題に及びました。
セッション4は、「統合報告とKM」と題し、企業の情報開示を巡る新潮流と
ナレッジマネジメントの関連について論議しました。統合報告は、企業を財務
諸表からだけでなく、無形資産、知的資産を含めて統合的に評価していこうと
いう考え方で、現在、国際統合報告委員会(IIRC)がフレームワークを作成中
です。モデレーターの西山茂早稲田大学教授は、早稲田大学知的資産研究会
(WICRS)会長としてこの問題に取り組んでいます。発題者の三代まり子氏は
IIRCテクニカルマネジャー、討論者の牛島慶一は新日本監査法人の公認会計士
という、この問題の最先端で活躍中方々でした。
最終セッションは基調講演者、各セッションのモデレーターが登壇、それぞ
れのワークショップの総括を行いました。会場からの質問も終始活発で、終了
時間の5時半をややオーバーしてすべてのプログラムが終了しました。(了)
◆<特別寄稿>創造の経済時代のナレッジマネジメント その3
?スマート工業社会とネットサービス型製造業の時代?
(日本ナレッジ・マネジメント学会専務理事 山崎秀夫)
創造の経済時代が進むに連れてフォーディズムに代表される大量生産・大量
消費の工業社会に大きな変化が起こり始めています。その一つがインターネッ
トが「ローマの道」の役割を果たし始めた点、二番目がスマート工業社会やス
マート産業社会の台頭です。
まず従来の工業社会においてはバンキングオンラインに代表されるように企
業の活用する基幹システムは須らく専用回線(私道)を使っていました。しか
しここに来てクラウドコンピューティングと呼ばれるサービスが台頭し、各企
業の専用回線(私道)をインターネットが吸収を始め、公道である「ローマの
道」になろうとしています。文字通り1990年代に米国が夢想した情報スーパー
ハイウエーが出来始めた訳です。
次の変化は「モノ支配論理」と呼ばれるハードウエア自体が大きな価値を持
つ工業社会から、様々なスマート機器の上でソフトウエアが価値を作り上げる
「サービス支配論理」のスマート工業社会へと大きな移行が開始された点でし
ょう。スマート工業社会の誕生は公道へと変化し始めたインターネットの上で
の出来事です。
スマート工業社会はアイフォンなど消費財のアップルに代表されるモノ作り
の大きな変化から始まりました。そしてスマートフォンなどでソフトウエアに
より最初に変化したサービス領域は、時代に最も敏感な芸術性を擁する「音楽、
映画、テレビドラマ、電子書籍に代表される小説や新聞」などの世界でした。
その流れが生産財(資本財)のGEや日本のコマツ、日立などの重工業に波及
し始めています。同じことがグーグルの開始した自動運転がトヨタ、日産、フ
ォード、GMなどを巻き込んで2020年頃までには一部で自動運転の実現と言う
話に波及しました。これが消費者インターネットから産業インターネットへ
(M2M)と言われる流れです。例えばタクシーを販売した後も自動車会社が効
率的な配車などのサービスをインターネットで提供して稼いだり、コマツがト
ラクターの自動運転や予防障害検知で稼ぐサービスなどが例として挙げられま
す。輸出の約8割を占める生産財はモノ作りの中心です。
モノ支配論理の工業社会からソフトウエア中心、その作り出すサービス中心
のスマート工業社会への移行により、あらゆる産業の再発明が始まり、第三次
産業革命と言う米英の議論に繋がっています。イオンなどが目指すネットサー
ビス型小売業、ネットサービス型金融業、ネットサービス型航空サービス(ル
フトハンザなどが先行)などあらゆる産業のネットサービス型企業への変化が
始まっています。モノよりコトの経済がソフトウエアとネットワークを背景に
実現され経済を動かそうとしています。
第三次産業革命の結果、アメリカでは20年後、約25?40%の生活者の所得増
大と、現在のアメリカ一国に匹敵するグローバルな規模でのGDPの拡大成長
が起こるとGEにより予測されています。しかし2010年代の先行する米国の現
実は「ネットサービス型企業は生産性が高過ぎて破壊した既存の産業の失業者
を吸収しきれない状況」が現れています。(アマゾンの台頭による書店のボー
ダース、家電店のサーキットシティの倒産、ネットフリックスの台頭によるD
VDのブロックバスターの倒産、ネット写真の大流行によるコダックの倒産)
これが、失業が高止まりするスマート産業社会の先進国、米国オバマ政権の持
つ悩みです。丁度、明治時代に廃刀令により失業した武士層が神風連の乱や西
南の役を起こしたのと類似の状況と言えるでしょう。そのような状況下では多
様な発想も基づくアイデア実現を可能とする自己表現の自由の保証と起業の為
の環境整備が何よりも優先されると言われる所以です。家電崩壊などに十分対
処出来ていない日本はこの点で明らかに遅れています。
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<編集後記>
今年も本メルマガにお付き合い頂き、ありがとうございました。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
よいお年をお迎え下さい。
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学会アドレス:kms@gc4.so-net.ne.jp
編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局(森田 隆夫)
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