No.64 2012年12月20日発行

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   日本ナレッジ・マネジメント学会メールマガジン 
   第64号  2012/12/20
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 編集・発行:日本ナレッジ・マネジメント学会(KMSJ)事務局

□ 目 次
◆潜在力を引き出す経営セミナー」の報告
◆書籍「ゼロから学ぶスマート革命」を読んでの感想 

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◆潜在力を引き出す経営セミナー」の報告
(日本ナレッジマネジメント学会専務理事 久米克彦)


 2012年11月6日(火)早稲田大学小野講堂にて、早稲田大学知的資本研究会
及び当日本ナレッジ・マネジメント学会共催、株式会社ICMG 協賛にて「潜在
力を引き出す経営セミナー」が開催されました。当学会からも参加しましたの
で会議の概要につき、報告します。

 開催趣旨は次のようなものです。「伝統的な財務諸表では企業の真の姿や企
業価値が適確に伝達できない」という問題意識があり、特に従来の財務諸表に
認識されていない無形資産、更には特許など知的資本が反映されていないこと
はこれまで議論されてきたことです。

 企業開示の新たな試みである統合報告書についてIIRC提唱フレームワークが
来年2013年にいよいよ確立され、IRのグローバルなデファクトスタンダードに
なると見込まれています。「株主の目」と「経営の目」を繋げるフレームワー
クとしての意味があり、そこでは企業の価値を決める知的資本を可視化する作
業という位置づけで、ICMGが実践してきた具体的な知的資本経営に向けてのス
キームが本セミナーで紹介されたことは大いに意義のあるものでした。

 尚、本稿は分かりやすくする為、講演内容を取捨選択し、また話の順番を組
み替えてありますのでご了承下さい。

 知的資本の観点から、毎年興味ある話が聞けるとても良い機会なので、KM学
会の皆様も今後参加されると参考になると思います。

▼以下に写真付きで詳細内容の報告をしますがこの先は以下のURL
でお読みください
http://www.kmsj.org/archive/20121106report.pdf

 

◆書籍「ゼロから学ぶスマート革命」を読んでの感想 
(日本ナレッジ・マネジメント学会理事 メルマガ編集長 松本 優)

著者:山崎秀夫「ゼロから学ぶスマート革命」中央経済社2012年11月14日発行
単行本:240頁 定価:1,680円(税込)
ISBN-10: 4502464406 ISBN-13: 978-4502464409 


 先月号でご紹介しました当学会の山崎秀夫専務理事の書かれた「ゼロから学
ぶスマート革命」を読みました。書評というのはおこがましいので、読んでの
感想ということで書きました。


 この本は今、多くの日本人はまだあまり知らないが世界では着々と進行して
いる「スマート革命」というこれからの旬のキーワードについて、タイトルの
「ゼロから学ぶ…」というとおり初歩から分かりやすく解説をし、且大胆な予
測と提言もされています。


 著者は現状を 「一人一台のパソコンを活用する時代」が終焉し、『一人が
七台のスマート機器を使い分けるポストPCコンピューティングの時代(総務
省の言うスマー ト革命時代)』が到来しています。そこにおいてはパソコン
時代にインターネット経済を支えた広告売り上げの重要性が大幅に低下すると
予測されています。そうした中、開放性を重視していたインターネット経済が
閉鎖的になるなど大きくエコシステムが変化します。」と認識したうえで、前
半は?モノ支配論理からサービス支配論理への展開と言うビジネ スモデルの
変化とイノベーションの視点。後半は?新しいコジンコンピューティング の
形と言うライフススタイル視点の二点からスマート革命を説明しています。


 前半ではモノ支配の論理からサービス支配の論理への転換時期であることを、
生々しい日本家電企業の衰退、「気が付けばパナ&シャープ」と言われた?事例
などを使って説明。品質性能のいいモノづくりに対するこだわりと自信の上に
胡坐をかいて気づくのが遅かった日本のシャープやパナソニック、ソニーなど
が、アップル、アマゾン、グーグルなどの変化にいち早くスマートテレビで対
応したサムソン電子、LG電子などの韓国勢や中国勢に負け、テレビ事業などの
不振での大幅赤字になったといった説明に筆者は納得。山崎氏のすごく説得力
のある説明にはげしく同感した。(最近また流行りだした「はげどう」ですね(^.^))
さらにここではサービス支配論理について基本的な知識を丁寧に説明してくれ
ておりためになった。モノの上に洗練されたサービスの森(エコシステム)を築
き、その森の(生態系)の中で(いろいろなビジネスモデルを展開して)商売繁盛
でハッピーと言う話でした。


 後半はポストパソコン時代として「個人コンピューティングの新しい形の出
現」について最近のその兆し、動向などを説明し、クラウドの助けも借りなが
ら1人数台(著者は7台ぐらいと言っている)のスマート機器を使い分ける時代
の到来を予測し、その時の我々のライフスタイルの変化について書かれてある。
家電のみならず住宅、自動車、航空機、メディア、ネットサービスなども創造
的に破壊されるだろうとも書かれている。


 全体を通して筆者は目からうろこというかそれ以上の目ん玉が飛び出るほど
の衝撃を受けた。
 また、いろいろなキーワードについての理解と業界動向について理解ができ
た。例えば私が得たナレッジを少しお裾分けすると

*これからは受け身型の規律型ではなく「ノマド型」(自律型])の人が幅を利
 かす

*コンシューマー(消費者)から「プロシューマー」(生産型消費者)の台頭

*ショールーミング(量販店等実店舗で商品を見て、一番安いネット通販で買
 う)の台頭

*それに対して「O2O」(オンラインtoオフライン)で対抗。例えばスマホに
 メールを送り店舗へ来ると〇〇ポイントを提供しますなどと来客を促す。来
 たら店内に居るそのスマホにいろいろお買い得情報を送り込みさらに色々買
 わす。(スマホを持って来店するとポイントを付与することを「スマポ」と
 呼ぶそうです....これは筆者後調べ)

*スマート機器を使っての「顧客クラブづくり」例えばアマゾンの電子書籍を
 読むならキンドルの端末やキンドルファイヤ (タブレット)が便利で恩典が
 つく等にして顧客の抱え込みを狙う。楽天も独自端末を発売

*クラウドソーシングとは群衆(crowd)と業務委託(sourcing)を組み合わ
 せた造語、ここではアプリを不特定多数の第三者に外注すること

*本やCD(モノ)を買わないでいつでもどこでも1回いくらで見る・聞く(メディ
 ア消費)の台頭

*スマホの画面は小さいので広告効果は低く広告料で稼いで情報はタダという
 ビジネスモデルが成り立ちにくくなる。そこでネットはオープンで無料の時
 代は終わるだろう。Web2.0の終焉??向かっている。等々。


 最後に、この本は経営者、経営戦略担当、商品企画担当、マーケティング担
当の方などは是非読んでほしいですね。他にスマート革命について書いた本も
見受けられはじめたが、エネルギー問題のほうがメインだったり、スマート機
器が色々繋がってこんなによくなるだろうといった技術面からの話が中心で戦
略面、経営戦略やモノづくり戦略、マーケティング戦略まで踏み込んでいろい
ろ示唆し、気付きを与えてくれる本はこの本が一番でしょう。

 また、学者先生の書いた論文的な本と違い実名の会社名や機器名、人名など
ポンポン出てきてスマート革命の恩恵にあずかろうと群がるいろいろな業種の
企業の戦いの模様を書いてくれているので「異業種格闘技の熾烈な戦い」(あ
るいは三国志の戦い??)を見ているようで読んでいて実に面白い。

 熾烈な戦いのビジネスの世界をすでに引退した私、個人的にはスマホが生活
上不要で、かつ嫌いであり(タブレットは年寄りにもOK)、まだスマート機
器を何も使ってないのでこのスマート革命の時代には落ちこぼれそうで、そう
なると相当住みにくくなるので心配だ。パソコン時代には「デジタルデバイド」
というのが流行ったが、これからはスマート機器を使いこなせない「スマート
デバイド」という言葉がはやりそうだ。そうならないように今から慣れておこ
うと思う。

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<編集後記>
今年一年本メルマガにお付き合い頂き、ありがとうございました。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
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